貯水槽水道の歴史は古く、最近は地上式が主流ですが以前は地下式、半地下式の物が多く、その管理と水質状態は劣悪である。
貯水槽の管理責任は設置者にあるが、その管理コストは高く水道事業体が要望している様な管理業務は実行されていない。
貯水槽内の水質悪化、異臭等全国で色々な事故が発生している現状です。この事を受け厚生労働省も平成15年4月より改正水道法を実施し、貯水槽の設置者に対し、最低年1回以上の清掃と水質検査の実地を管理基準の遵守義務として課していますが罰則は無く、あくまでも指導、助言、勧告の域内であり設置者サイドで完全な管理運営を実施する事は大変困難なのが現状です。集合ビル、マンション等の貯水槽の安全性と水質の向上はより一層重要な課題となっています。

 ICタグは1図に示す様に丸カセット(管理番号付)に収納されておりこれを2図に示す様に貯水槽に取付け運用します。送受信機側PDAに別表1の項目、内容を入力し、取付けたICタグに書込みを行い、貯水槽のあらゆる情報管理を実行します。ICタグは無電源で作動するため半永久的な使用が可能で、変更情報の書込みも10万回以上行える為、常に最新の情報を保持する事ができます。送受信機のPDAに保存されたデータを水道事業体のPCにダウンロードし、さらに関係する事業体との間でネットワークを構築し、現場の最新維持管理情報を全事業所で共有する事ができます。(3、4図参照)
ICタグには、貯水槽固有の固定項目と、維持管理項目、その詳細内容を長期間(半永久的)保持することができ、また現場で瞬時に一覧で内容を確認したり、変更することも可能で、その履歴も確認できます。
例えば貯水槽の規模、メーカー名、給水方式、竣工年月、清掃年月、水質検査年月、その結果、実施機関等詳細なデータを書き込む事ができ(別表1参照)今後の貯水槽の管理、運営と安全性等に大きく寄与できるものと確信いたします。